凛と背を伸ばし沖を見据え、何かを祈るようにゆっくりと眼を瞑る
閉じられた瞼からも伝わる強い意思、私も眼を瞑り彼女の無事を祈る。

恵みと呼ばれる雨があるのならばと、安易に雨を願い、
何か邪悪な物を吹き飛ばしてくれるのだろうと、安易に風を願う。
繰り返される自分本意な願いと、皮膚の下を這う罪悪感。
私は其れさえもへの愛情を試されるようで愛おしんでいた。

が雨も風も望んでは居ない事は解って居たというのに。



振り返る事もなく相棒を片脇に抱え歩き出す、此処では私は部外者でしか無い。


潮の匂いがの匂いだと認識するようになり、季節は幾度巡っただろう。
ボディスーツから浮かび上がる女性らしい身体のライン、私は欲情する事もなく、只只美しいと。
濡れた髪から滴る雫、太陽が落とす彼女の影さえも、意思を持っている様で。
客観的にを見る事が出来ない、心酔とは此の事を言うのだろうか。





瞼を開く、少しだけ眉を顰めてまた沖を見据える
私の入り込む隙間など何処にも無い。そう、始めから。


ピンク色のリーシュコードは、海が貴方に与えた足枷のようで。
躊躇い無く沖へとパドリングする貴方、グレーとオレンジのボディスーツ、
海面に反射した朝陽はまるで彼女を奪うように眩しく、そして暖かい。
海が空が太陽がどれだけ偉大かなど今はどうでもいい。

奪わないでくれ。
私はまだ、想いを告げてもいない。



桎梏
(海からへの足枷)
(から私への足枷)


(柳生くん、私、ずっと好きだったよ)



special thx to
企画/Lily of the valley 様
and you.